ことばや










   いとうかよこ原作脚本作品
  朗読劇『私の知らない、私の事情』
  加護亜依主演、金田賢一語り 特別公演
  ⚫日にち/10月6日(土)、7日(日)
  ⚫会場/グロッタ・デ・アモーレ            
  ⚫料金/4,500円
  ※チケット予約はこちらから → #私の事情

 



 


いとうかよこ脚本作品 
朗読劇<銀河鉄道の夜~純愛シリーズ>第2弾 
『愛を教えて、と彼女は言った。願い事は星の彼方に』 

⚫日にち/8月24日(金)~26日(日) 
⚫会場/赤坂CHANCEシアター    
⚫料金/3,500円(ワンドリンク付き)  
※チケット予約はこちらから → #銀河星の彼方に
 

銀河鉄道の夜~純愛シリーズ オーディオドラマ版、好評リリース中!
彼女は星を見上げ、ここにいない彼を想う                私たちは、夜空に瞬く夏のトライアングル 
「彼女は星を見上げ、ここにいない彼を想う」            「私たちは、夜空に瞬く夏のトライアングル」


          
「愛を教えて、と彼女は言った。願い事は星の彼方に」    「星をめぐり、彼女はもう一度、彼に恋をする」     

ケータイサイトQRコード

RSS1.0    RSS2.0 

9番目の夜

最初の夜。
彼女はひとり静かに、そこにいた。
誰かを待っている素振りもなく、
ひとりぼっちで佇んでいる風でもなく、
ただそこに、ふわりと澄んだ空気をまとって存在していた。

次の夜。
彼女はやはり、そこにいた。
誰にも汚されることのない、透明なバリアに守られ、
わずかな微笑みを口元にたたえている。
その真っ直ぐな瞳には、何が映っているのだろう。

そして、次の夜もその次の夜も、
僕は彼女の元へ通い続けた。
近づくことはできず、声をかけることもできず、
同じ空間にいる…ただそれだけだったけれど、
彼女がそこにいるだけで、僕はそれだけで幸せだった。

やがて、9番目の夜がやってきた。
いつもと同じ場所に、彼女はいた。
昨日と変わらぬ姿で、昨日と変わらぬ清々しさで。
けれど、何かが昨日とは違っていた。
そして唐突に、今夜が最後だと僕は悟る。
明日からは、どこを探しても彼女はいないと、
僕にはなぜかわかっていた。

彼女が微笑む。
9番目の夜を祝して。
木々が騒ぐ。
9番目の夜にはしゃいで。

そして僕は、ひとり取り残された。
彼女のいない、誰もいない、9番目の夜の闇の中に。



朗読/島田陵平
ストーリー/いとうかよこ

 

at 2018/08/08 23:00:00