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ふたりの気持ち

別れ際、一瞬、時間が止まった。

「また、会いたい…」

そう言いかけて、言葉を飲み込む。
楽しかったは私だけ、かも。
もう一度会いたいのは私だけ…かも。

ゆっくりと視線をあげると
やさしく、まっすぐに
私を見つめている瞳とぶつかった。

「また、会いたいな」

そう言って、照れくさそうに笑うその人に、
私は、とびきりの笑顔で答えていた。
 


朗読/松本まどか&木村優雅