ことばや


「出張ことばや」、始めました!
いとうかよこ原作の脚本をプロの声優たちが朗読する「出張ことばや」。
15分ほどの短編から60分ほどの長編まで、

時間や場所などに応じて、さまざまなストーリーをご用意。
皆様の企画に沿った朗読お届けします。
図書館や学校での朗読会、イベントのゲストとして、など
いつでも、どこへでも、出かけてまいります。
ご相談、ご質問はお気軽に、お問い合わせフォームからどうぞ!

 

 

ケータイサイトQRコード

RSS1.0    RSS2.0 

三日月

夜空にぽかりと浮かぶ三日月のハンモック。
そのうえで、ゆらりゆらりと揺れながら、
ひとり、ダークブルーの闇を漂っている。

見下ろせば、地上は色とりどりのネオンで
沸き立つように賑やかだ。
うらはらに、シーンと静まり返った空の上、
ゆらりゆらりと泳いでいる。

「寂しくないの?」

誰かの声が聞こえた気がして、
そっと三日月から起き上がる。
周囲を見渡してみるけれど、
都会の夜空には、
濃いブルーと暗いグレーが混じり合う闇が広がるばかりで、
誰の姿も見えやしない。
ここには私ひとりだけ。
ずっとひとりで揺られている。

もう一度、三日月に身を預けて
ゆらりゆらりと揺れながら、地上の灯りを目で追えば、
楽しげなスイングが聞こえてくるようで
ふと口元がゆるんだ。

夜空にぽかりと浮かぶ三日月のハンモック。
今夜も地上を見下ろし、
寂しい心がひとりきり、ゆらりゆらりと闇を泳ぐ。
 


朗読/空閑暉
ストーリー/いとうかよこ
at 2018/04/09 23:00:00