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改めて、キャスティングの重要性を知る

映画『罪の声』

罪の声

実はこれ、前回レビューで書いた
『新解釈・三國志』よりも先に観ていた作品。
レビューが後になったのは、
『新解釈・三國志』みたいに
勢いでダダーっと書いちゃいかん空気が
ある作品だから、デス。

悪ふざけ上等!
『新解釈・三國志』のレビューはこちら。
興味のある方はぜひご一読を。

というわけで、
今回のレビューは『罪の声』です。

『罪の声』公式サイトは、こちら。

 

物語のベースになっている事件は実在のもの。
日本中を騒然とさせた大事件なので、
一定の年齢以上の方々は覚えていることだろう。
未解決事件なので、真相は闇の中に葬り去られたまま。
ある意味、そういう題材ってドラマになりやすいんですよ。

たとえば、
未解決事件でもっとも有名な「3億円事件」。
この事件をテーマにした小説や映画は数知れない。
「真実に迫る」と謳うドキュメンタリーもあれば、
完全に創作だろうけれど、真実と見紛うフィクションも。
個人的にオススメなのは、
若かりし頃の美しいジュリーが主演したドラマ
悪魔のようなあいつ』(DVD持ってますw)。
昭和の偉大な作詞家・阿久悠さんが原作を担当していて
とにかく、ジュリーがカッコいい!!
けだるげな感じで色気ダダ漏れ…ほんと、美しい!!
ちなみに、このドラマの主題歌が『時の過ぎゆくままに』。
この曲もドラマ同様、けだるくカッコいいんです。

と、脱線しすぎた(笑)。
話を『罪の声』に戻すと…。

 

ミステリーなので、
ストーリーを丁寧にさらうのは避けますが、
衝撃のラスト! とか
このどんでん返しを見破れるか! みたいな
過剰な煽りは、この作品には当てはまらないかな。
わりと地味に(この映画の中の)事実を
積み重ねていく展開ですが、
それが退屈ということはまったくなく、
最後までずっと目線も思考も惹きつけられたまま。
気がついたら、ラストシーンでした。

つまりは、面白かった。

世間的には、主演のおふたりに称賛が集まるでしょうが、
個人的には脇役の素晴らしさに拍手を送りたいな。
あ、もちろん、主演のおふたりも良かったんですよ。
何なら、小栗旬さんなんて
「うまい具合に年を取っているなぁ」と感心したくらい。
年齢相応の積み重ねが見え隠れして、
これから先、重みとか深みとかが加わっていきそうだな、と。

別に、小栗旬ファンではありませんが、
今後がすごく楽しみな役者さんだなぁと思っております。

まあ、それはそれとして。

脇役ですよ。
まずもって、この物語の核となる
「犯人に声を利用された子ども」だった人物に
宇野祥平さんをキャスティングしているのが卑怯(笑)。

星野源さんも同じ立場の役柄なんですが、
もうね、現状も過去も好対照で
そのコントラストが、観てすぐにわかる。わかりすぎる。
こんなん、キャスティングの大勝利ですよ。

そして、梶芽衣子さんの置き方も絶妙。
この役にこの人を当てた意図は「なるほどそこか」と。
理解した瞬間に、ちょっとニヤニヤしました。
このあたり、詳しく書けないのはネタバレするからです。

さらに、個人的にニンマリしたのは、
桜木健一さんが出てきた場面。
証言者として、ほんのワンシーンのご出演ですが、
桜木さんがかつて主演したドラマを覚えている年代の人には
「ですよね~」と思わず納得するはず。

その他にも、ほぉぉ…と思う配役がちょいちょいあって
途中、ストーリーよりもそっちが気になったくらい(笑)。
この事件を鮮明に記憶している年代の方々への
ちょっとしたサービスなのかな、これは。
そういう意味でも、楽しませてもらいましたよ。
まさに、制作陣の思うつぼです。

 

二転三転、先が読めないストーリー!!
みたいな激しめミステリーが好みの人には向かないけれど
じっくりミステリー好きならばハマるはず。

脇役にも注目して、ご覧くださいませ~。